今から55年前、日本に近代的なマジックが流行り始めた頃、アマチュア奇術界のホープであった高木重朗氏が、その堪能な語学力で欧米のマジックの知識を吸収、研究して、日本の奇術発展を願って刊行した 『トランプの不思議』(力書房、1956年) の復刻。
[ I ] 序編
1章 カード(トランプ)奇術について
2章 使用するカードについて
3章 カード奇術の術語
4章 本書の解説の仕方
[ II ] 基礎編
1章 カットとシャフル
2章 嘘のカットと嘘のシャフル
3章 コントロール
4章 強制法
5章 ダブルリフト
6章 グライド
7章 パーム
[ III ] かあど まじっく あらかると
10種
当時多くの奇術ファンに受け入れられ、版を重ねたが、氏の死去(1991年)後絶版となっていた。
近代マジック草創期の入門書ゆえ、今なお最高の入門書との呼び声が高いもの。
復刊に当たっては、高木氏が書いた部分はそのまま復刻し、50年の歳月が経っているので、時間のブランクを埋めるべく注をつけた。
注は高木氏亡き後、自他共に認める、日本を代表するマジック研究家松田道弘氏。
本書の構成は、まず、カードそのものの知識を解説し、次に必要な技法を解説、最後にその技法を使って出来る容易で効果のある奇術の手順を解説。
高木重朗 著 松田道弘 編注 四六判 176頁